歯ぎしりはなぜ起こるのか?原因と改善方法

歯科医院で歯ぎしりをしていると言われたけど、何が原因なのかわからない。
そういう方は多くいらっしゃいます。
今回は、歯ぎしりが起こる原因、歯ぎしりが引き起こす悪影響や改善の方法についてお伝えしていきます。
歯ぎしりが起こってしまう原因
『ストレス』
歯ぎしりの原因として一番関係あるとされているのがストレスです。
ストレスを睡眠中に処理する過程で、歯ぎしりをしていると考えられています。
歯ぎしりの全てが悪いわけではないのですが、日常的に歯ぎしりをしていることで疲れが残ってしまったり、歯や顎に悪影響が出る場合は、対処する必要があります。
『睡眠の質の低下』
睡眠の質の低下は歯ぎしりの原因になると言われています。
アルコールやカフェインを寝る前に摂取してしまうと、睡眠の質は悪くなります。
蛍光灯やスマートフォンの明りは、意識を覚醒される作用があるので、寝る前に浴びないほうが良いとされています。
『歯並びや骨格』
歯並びや骨格が悪いと、歯ぎしりの原因になります。
歯並びの中で強く接触している部分があると、歯ぎしりが起きやすくなります。
元々の歯並びが原因でなる場合もあれば、治療した歯の噛み合わせの調整が不十分な場合にも起こります。
『成長に伴う歯ぎしり』
子どもの歯ぎしりは、成長に伴う生理的なものと言われています。
成長期の歯ぎしりは、歯の生え変わりや顎の成長によって、ずれた歯並びを調整するために行っているとされています。
歯ぎしりには種類がある
歯ぎしりは、細かく分けると3つの種類があります。
『グラインディング』
グラインディングは、ギシギシと歯をする合わせる歯ぎしりです。
多くの人が、歯ぎしりと聞いて一番最初に思い浮かべるのがこの種類でしょう。
グラインディングを行っている際には、音が出ますので周囲の人に指摘されることも多いです。
上下の歯を強く噛んだまま左右に動かすので、歯や顎にもっとも影響が出ます。
グラインディングの癖がある方は、奥歯や犬歯(前から3番目の歯)の噛む面がすり減ってしまい、平らになっていることが多いです。
『クレンチング』
上下の歯を合わせて、グッと食いしばることをクレンチングと言います。
グラインディングと違い音がでないので、他人から指摘されたり、自分で気づくことも少ないです。
歯のすり減りは、グラインディングに比べると少ないのですが、顎関節への負担はかかります。
夜間だけでなく、日中でも、なにかに集中する時に無意識下で行っている方もいます。
『タッピング』
タッピングは、上下にカチカチと歯を合わせるタイプの歯ぎしりです。
上記の2つにくらべると、行っている方は少ないです。
歯ぎしりが引き起こす悪影響
歯ぎしりが引き起こす悪影響には、どのようなものがあるのでしょうか。
『歯がすり減ってしまう』
歯ぎしりによって歯がすり減ってしまいます。
歯がすり減ることで、歯の寿命が短くなったり、詰め物が外れやすくなってしまいます。
場合によっては、弱っていた歯が割れるということも起こり得ます。
『顎関節症』
歯ぎしりによって顎関節に負担がかかることで、顎関節症が起こる可能性があります。
夜間、歯ぎしりをしている方は、起きたあとに顎に痛みや疲れを感じたり、口を開けにくくなる、などの症状がないか注意すると良いでしょう。
『知覚過敏』
歯ぎしりによって、歯に強い負荷がかかることで知覚過敏になる場合があります。
歯がすり減ったり、歯茎が下がらなくても、常時歯にストレスがかかることで他の歯に比べて刺激に過敏になる傾向があります。
『歯周病の悪化』
歯周病によって、骨や歯肉など歯の周囲の組織が弱っている場合、歯ぎしりによって歯周病が悪化します。
『睡眠時無呼吸症候群との関連』
歯ぎしりと睡眠時無呼吸症候群が関係していると言われることもあります。
睡眠時無呼吸症候群は、ストレスや肥満などの原因により睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、眠っても疲れが取れないため、日中の急な眠気を引き起こしてしまいます。
睡眠時、呼吸が止まる前後で歯ぎしりを行っている場合が多いです。
改善させる方法
『ナイトガードを使う』
ナイトガードとは、夜間につける透明な薄いマウスピースのことです。
歯ぎしりを行っている方が使用することで、歯のすり減りを防ぐことが出来ます。
また、ナイトガードによって顎の位置や噛み合わせの調整を行えるので、歯ぎしりの発生自体を軽減する可能性もあります。
ナイトガードは保険診療で制作することが出来るので、歯ぎしりに悩んでいる方は一度歯科医院で相談してみると良いでしょう。
『生活習慣の改善』
アルコールやカフェインを睡眠前に取るなどの、睡眠の質を下げてしまう生活習慣は改善しましょう。
バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、寝具は自分にあったものを使い、枕は高くしすぎないようにすると良いでしょう。
『ストレスを少なくする』
歯ぎしりの原因である、ストレスを少なくすることも大切です。
ストレス自体をゼロにするということは難しいので、生活を見つめ直し、減らせる部分から減らしていくと良いでしょう。
『噛み合わせの調整』
噛み合わせが原因で歯ぎしりが起きている場合は、噛み合わせの調整を行うと良いでしょう。
まとめ
歯ぎしりの原因や対処法などについてお伝えしてきました。
歯ぎしりは、そのままにしておくと歯がすり減ってしまったり、顎関節症を引き起こしたりしてしまいます。
歯ぎしりに悩む方は、一度歯科医院で診察してもらうと良いでしょう。