ステインで汚れた歯は白くなる?原因と防ぐ方法

ある企業がオーラルケアの悩みに関して実施したリサーチによると、20代~60代の男女500名のうち、なんと7割以上にあたる359名が、歯の黄ばみ(着色汚れ)に悩んでいるとの結果でした。
この歯の黄ばみの正体は「ステイン」という歯の表面に付着した汚れです。
このステインはどうすれば除去できるのでしょうか。
参考:スイスの歯科医が開発したステイン除去に特化した電動歯ブラシが日本上陸|合同会社リノワのプレスリリース
ステインとは
虫歯
ステイン(stain)は、英語で汚れ・しみ、という意味があります。
木材の着色材の1つであるステインは、木目をはっきりと際立たせて木材の美しさを引き出します。
しかし、歯のステインは全く逆の厄介者です。
歯の表面に付着して、綺麗な白い歯が黄ばんだり、薄茶色っぽい色調にしてしまいます。
歯にステインが付いてしまう原因
毎日しっかり歯磨きをしているのに、少し黄ばんでいる、歯の表面に汚れがついてなかなか取れない、という思いをしたことはないでしょうか?
着色汚れ(ステイン)は、どのようにして歯に付着するのでしょう。
歯は、エナメル質の表面において、唾液によってつくられる「ペリクル」という薄い膜で一層が覆われています。
このペリクルに、食品に含まれるポリフェノールなどの着色原因物質が、唾液中に含まれるカルシウムなどと結びついて、蓄積していきます。
これが、歯が少し黄色く見えてしまう、ステインの正体です。
着色汚れのついた歯を白くする方法
歯のステイン汚れを落とす方法はいくつかあります。
まずは自宅で行う方法を見てみましょう。
1)ホワイトニングを謳っている歯磨き剤やデンタルリンス
もっとも手軽と考えられるのが、ドラッグストアなどで売っている歯磨き剤やデンタルリンスで、ホワイトニングを謳っている商品を使うことです。
これら歯磨き剤やデンタルリンスは、歯の汚れを浮かせたりすることでステインを除去しやすくしています。
2)電動歯ブラシの「ステイン除去機能」を使う
音波水流で歯垢を除去する電動歯ブラシなど、電機メーカー各社は電動歯ブラシの機能として、ステイン除去機能を搭載しています。
このような商品を取り入れることも、ステイン汚れを落とすことにつながります。
電動ブラシを利用する場合は、研磨剤を含まないもので、汚れを浮かせて落とす歯磨き剤との併用がお勧めです。
3)ホワイトニングペン
ホワイトニングペンとは、歯の表面を磨くことで、歯を白く見せるペンタイプの研磨剤です。
表面を削り落としますので、ステインは除去されますが、その下にある大切な歯の表面まで削ってしまいますので、使用するにはその点を考慮しておく必要があります。
次に、歯科医院で行う方法です。
4)保険診療としての歯石除去
歯科医院で歯科医師、歯科衛生士に歯のクリーニングをしてもらいましょう。
保険診療として行う場合は歯石除去(スケーリング)と表面の仕上げ磨きがメインです。
歯の周囲の確認のために、歯周組織検査やレントゲン撮影も行います。
5)自由診療としての歯のクリーニング
保険診療でできるクリーニングは、時間や費用の点で制約があります。
そこで、自由診療として、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)という歯のクリーニングを行なっている歯科医院もあります。
歯の隅々まで、多彩な器具や薬剤を使用して歯の表面の汚れを落とし、歯を白く見せることができます。
歯にステインが付くのを防ぐ方法
歯の表面にできるペリクルは、唾液が存在する限り必ず形成されます。
つまり、ステインが歯に全くつかないようにすることはできない、と考えてください。
「ステインは歯の表面に付着する」という前提は変えられませんので、「ステインの付着する速度をいかに遅らせるか」、「ステインが付着するリスクをどれだけ少なくマネジメントできるか」、という視点で考えていただきたいと思います。
そうすると、例えば、歯磨きのタイミング、歯磨きの仕方、といったポイントが挙げられると思います。
1)歯磨きのタイミングを見直す
ステインの大きな原因は、飲み物や食べ物です。
カレー、赤ワイン、コーヒー、チョコレートなど、これらを摂った後は、口の中をそのまま放置しておかないことが必要でしょう。
飲食後に歯磨きすることが一番良いのですが、外出中などで難しい場合は、水を飲んだり、うがいをするだけでもステイン付着を抑える効果はあるでしょう。
また、ガムを噛んで唾液を分泌し、汚れを唾液で洗い流すこともステイン形成の抑制になるでしょう。
2)歯磨きの仕方について見直す
歯磨きの仕方にも着目してみます。
大事な点は歯の表面を傷つけないように磨くことです。
歯の表面に細かな溝があると、そこからステインとなる色素が留まりやすく、ステイン形成へとつながります。
しっかり磨こうと思うあまり、ゴシゴシと力を入れて歯を磨いたり、電動歯ブラシを使っていて、思わず強く押し付けたりしてしまうと、歯の表面に傷がつきやすくなります。
優しく磨くようにしましょう。
3)研磨剤入りの歯磨き剤を避ける
研磨剤は表面の汚れを効率よく除去しますが、力を入れて磨くような方の場合は、歯の表面に細かい傷を作る可能性があります。
そういった方は、研磨剤の無い歯磨剤を使うようにするといいでしょう。
電動歯ブラシを使っている場合は、特に注意が必要です。
まとめ
このように、ステインは白い歯をくすませる厄介者ですが、完全に除去したとしても、また形成されます。
いかにしてステイン付着をコントロールするか、先ほど述べた自宅での方法と、歯科医院での方法を組み合わせて、ライフスタイルにあわせた対応策を考えていければ、と思います。