肩こりで歯が痛い!じつは逆の可能性も?仕組みを解説
日常生活の中で、肩こりと歯の痛みは結びついているのではないか?と感じることはないでしょうか。
一見関係がなさそうに思える肩と歯ですが、実はその関係には理由があるのです。
この記事では、肩こりと歯の痛みの関係について解説します。
体の不調は複雑なメカニズムで繋がっており、肩こりと歯の痛みが関連するのもその一つなのです。
また、自分でできる予防法や適切な対処法もご紹介します。
肩こりと歯の痛みの関係
肩こりと歯の痛みは一見すると関係がなさそうに思えますが、実は姿勢などによって相互に影響を及ぼすことがあります。
肩こりは首や肩の筋肉の緊張によっても引き起こされ、その状態が続くと、首の周りの筋肉の緊張が頭部や顔面にも広がることがあるのです。
肩こりが進行してしまうと、顎関節や噛み合わせにも負荷がかかり、歯の痛みや不快感を引き起こす要因にもなりかねません。
さらに、ストレスが共通の要因となる可能性もあります。
ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、これが肩こりにつながるとともに、無意識のうちに歯を食いしばってしまい、歯の痛みに繋がることもあります。
このように肩こりと歯の痛みは、互いに影響することがあるのです。
噛み合わせが原因で肩こりが起こる場合
肩こりが原因で歯が痛むことも考えられますが、それとは逆に、噛み合わせの異常が原因となり、肩こりを引き起こす場合があります。
噛み合わせが悪いと顎の位置が不安定になり、首や肩の筋肉に負荷がかかり、顎関節や筋肉にも影響を及ぼします。
この状態が続くと、顎から首、そして肩まで筋肉の緊張を広げることになり、肩こりが生じるのです。
とくに、顎関節症の場合は、顎関節やその周囲の筋肉の痛みや違和感を引き起こすことになり、肩こりだけでなく、頭痛や耳鳴りなど、さまざまな症状が現れることがあります。
そのため、噛み合わせの異常を感じた場合には、歯科医師や矯正歯科専門医の診断を受けることをおすすめします。
虫歯が原因で肩こりが起こる場合
一方で、虫歯も肩こりとの関連が指摘されています。
虫歯が進行すると、歯の根の周囲に炎症が生じることがあります。
この炎症が首や肩の筋肉に影響を及ぼし、痛みや違和感を引き起こす可能性があるのです。
歯には神経が通っており、虫歯による痛みや感染は口腔内だけでなく、神経を通じて全身に影響を及ぼす恐れもあります。
虫歯が進行して神経が刺激されると、その痛みが首や肩にも伝わってしまいます。
この痛みが、肩こりや頭痛の原因となり得るのです。
また、痛みを感じた際に無意識に噛み締めることで、肩こりが悪化してしまうこともあります。
自分でできる予防法
肩こりと歯の痛みを予防するためには、以下のポイントに注意することが大切です。
日常の姿勢とストレッチ
良い姿勢を保つことで肩こりを予防できれば、歯の負担も軽減できます。
デスクワークやスマートフォンの使用時には、正しい姿勢を心掛けましょう。
正しい姿勢は筋肉のバランスを保ち、肩こりを引き起こす筋肉の緊張を和らげます。
また、肩や首のストレッチや軽い運動を取り入れることも効果的でしょう。
噛み合わせのチェック
噛み合わせに異常がないか定期的に確認しましょう。
なにか違和感を感じた際には、歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
歯の健康管理
虫歯や歯周病の予防は歯の健康維持に欠かせません。
適切な歯磨きや定期的な歯科検診、歯石除去などを行いましょう。
毎日のブラッシングは虫歯の予防になりますし、歯科検診で問題を発見できれば、早めに適切な治療を受けることができます。
健康な歯を維持することが、肩こりや身体の不調といったリスクを防ぐことに繋がります。
ストレス管理
ストレスは肩こりや歯の痛みの原因となります。
日常生活でのストレスを適切に管理するために、リラックス法やストレス発散法を取り入れることが重要です。
適度な運動や趣味に時間を割くことで、心身のリフレッシュを図りましょう。
ストレスが溜まった状態が続くと、筋肉の緊張や歯ぎしりの原因になり、肩こりや歯の痛みを引き起こす可能性があります。
痛みに悩まされている方は医療機関へ
肩こりや歯の痛みが続く場合、セルフケアだけではなかなか改善しづらいことがあります。
そうした場合は、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
肩こりがひどい場合は整形外科、歯の痛みが続く場合は歯科医院を訪れると良いでしょう。
特に噛み合わせに支障があったり、顎関節症の疑いがある場合は重要です。
噛み合わせを正しくすることによって、肩こりや他の不快な症状が改善する可能性があります。
また、虫歯を放置すると感染症を引き起こし、全身にも影響を及ぼすことが考えられます。
体は一つの大きなシステムと捉えることもでき、一部分での問題が他の部分にも影響を及ぼすことがあります。
健康な生活を送るためには、日常生活の見直しが大切です。
肩こりや歯の痛みに悩んでいる方は、自分の体と向き合ってみましょう。
この記事の執筆監修者
阿部 顕 先生 ■経歴 日本歯科大学 生命歯学部 卒業 日本歯科大学 研修医 埼玉県の開業医にて勤務 ■所属学会 |