赤ちゃん・幼児の歯ぎしり、歯科医に相談した方が良いケースとは
歯ぎしりといえば大人が行うイメージですが、赤ちゃんや幼児も歯ぎしりをしていて驚いたことはありませんか。
赤ちゃんが歯ぎしりをしているとなにかの病気やサインだと思うかもれませんが、赤ちゃんの歯ぎしりは、成長のためだったりもするので心配をする必要はありません。
今回は、赤ちゃんや乳児の歯ぎしりについて、始める時期や原因、どのような場合に歯科医院へ相談すればよいのかについてお伝えしていきます。
歯ぎしりが始まる時期
赤ちゃんが歯ぎしりを始める時期は、上下の前歯が生え揃う生後8~10ヶ月くらいの時期です。
乳歯が生え始めるのと同時期に歯ぎしりも始まるということですね。
乳歯は、始めに前歯が生え、その後、奥歯が生えます。生える時期は個人差があり、一年たっても生え始めない子もいます。
大人の歯ぎしりですと、奥歯をギリギリと食いしばるイメージですが、赤ちゃんの歯ぎしりは前歯をすり合わせるようにも行います。
前歯だけ生えている場合は前歯だけ、奥歯が生えて以降は奥歯で歯ぎしりを行います。
また、睡眠中だけでなく、起きているときでも歯ぎしりをしているということもあります。
歯ぎしりの原因とは
赤ちゃん・幼児の歯ぎしりの原因について見ていきましょう。
歯並びやあごの位置の調整
赤ちゃん・幼児の歯ぎしりは、新しく生えた歯や成長によって、大きくなったあごの位置を調整するものと言われてます。
歯ぎしりをすることで、歯やあごの位置を調整して、しっかりと咬める準備をしているということですね。
大人は心理的なストレスから歯ぎしりを行うのに対して、赤ちゃん・幼児は、正常な成長のために歯ぎしりを行います。
歯が生える時のかゆみの解消
歯が生えるとき、また、生えきっていない歯はむずかゆく、その感覚を解消するために歯ぎしりをしているとも言われます。
子犬や子猫が甘噛みをするのと同じで、起きているときも歯ぎしりをしているのはそのためです。
咬む筋力のトレーニング
歯が生え始め卒乳をする時期はまだあごの筋肉が発達していません。
歯ぎしりをしてあごの筋肉をトレーニングすることによってだんだんと食べ物が食べられるようになります。
歯ぎしりによる発達への影響
正常な成長の過程で見られる歯ぎしりですが、場合によっては発育などに影響がでる場合があります。
歯ぎしりの影響には以下のようなものがあります。
歯列やあごの発育の問題
成長のためである歯ぎしりも場合によっては、歯列やあごの発育に問題を引き起こしてしまうことがあります。
歯列に異変、もしくはあごが曲がっているような場合には、歯科医院で診てもらう必要があります。
乳歯のすり減り
乳歯は永久歯に比べてやわらかいため、歯ぎしりの強さによっては乳歯の前歯がすり減って短くなってしまう場合があります。
乳歯の前歯は5~6歳で生え変わるのですが、それよりも前にすり減って短くなっているようであれば歯科医院で診てもらいましょう。
歯の痛み
長時間の歯ぎしりによって歯やあごが痛くなることもあります。
歯やあごを痛がっていたり、食事を嫌がる場合には、歯ぎしりのしすぎが影響しているかもしれません。
歯ぐきなどからの出血
口の中の粘膜は柔らかいため、歯ぎしりによって出血を引き起こすことがあります。
基本的に、様子をみていて大丈夫なのですが、あまりにも続いて心配なようであれば歯科医院に相談してみてもいいでしょう。
歯科医に相談が必要なケースとは
赤ちゃん・幼児の歯ぎしりは生理的なもの、成長の過程で起こることなので基本的には様子を見てもらえば良いのですが、以下のような場合には歯科医への相談が必要になります。
出血を起こしている
出血を引き起こしている場合には、歯科医へ相談してみましょう。
歯ぎしりによる歯ぐきからの出血は、一時的なものなのでそこまで心配しなくても良いのですが、すり減った歯が口の中を傷つける場合があるので、歯科医院で診てもらうと良いでしょう。
歯を痛がっている
食事をしたがらなかったり、口を触られるのを嫌がる場合には、歯ぎしりによって歯が傷んでいることがあります。
歯ぎしりによる一時的なものであればよいのですが、過度な歯ぎしりによって歯の神経が傷んでいる可能性もあるので、歯科医に相談してみましょう。
3歳を過ぎても歯ぎしりをしている
歯ぎしりは乳歯が生え揃う頃(2歳半〜3歳)には落ち着いてくるケースが多いです。
3歳を過ぎても歯ぎしりをしている場合には、歯列に影響してくる可能性があるので歯科医に相談して判断を仰いでください。
まとめ
赤ちゃん・幼児の歯ぎしりについてお伝えしてきました。
大人と違い、小さい頃の歯ぎしりは成長のためのものなので心配する必要はありません。
ですが、乳歯があまりにもすり減りすぎていたり、本人が痛がっている場合や心配なことがある場合には、歯科医院で診てもらうようにしましょう。