ドライソケットの痛みと見た目の特徴とは
抜歯をして数日経過してから徐々に痛みが強くなる、抜歯後1週間しても痛みがおさまらない場合にはドライソケットの可能性があります。
ドライソケットとは、どのような見た目で、なにが起きているのでしょうか。
また、痛みや対処法についてもお伝えしていきます。
ドライソケットとは
ドライソケットとは、抜歯後の傷口に血餅(けっぺい)ができずに、そのまま骨が露出してしまった状態のことです。
通常、抜歯後は、傷口に血液が貯まりそれがブヨブヨした塊(血餅)を形成して穴を塞ぎます。
血餅により、外部からの刺激を防ぎ、内部で傷を回復させます。
しかし、血液が足りないなど、なんらかの理由で血餅が作られない、もしくは剥がれてしまうと、傷口を覆うことができなくて内部の骨が露出してしまうのです。
ドライソケットになった場合には、抜歯後数日してから徐々に強い痛みが出て、一週間たっても痛みが治まりません。
ドライソケットになる原因
ドライソケット自体は、そこまで珍しくはなく、100人に2~3人の割合で起こると言われています。
抜歯後の出血やその後の経過は個人差が大きいのですが、予防することである程度ドライソケットの発生を防ぐことができます。
ドライソケットを引き起こす原因には以下のようなものがあります。
強いうがい
抜歯後に血の味が気になるからと言って強くうがいを繰り返してしまうと、傷口を覆っている血餅が剥がれてしまいドライソケットを引き起こす可能性があります。
抜歯後の血餅は特に剥がれやすいので、抜歯をした日は強いうがいをするのを控えたほうが良いでしょう。
喫煙
タバコの煙に含まれる成分によって毛細血管が収縮し、血流が悪くなるとドライソケットになりやすいです。
抜歯をした後はなるべくタバコを控えるようにしてください。
難しいケースの抜歯
下顎で埋まっている親知らずなど、難しいケースの抜歯はドライソケットを引き起こす可能性があります。
難しいケースの抜歯の場合、周囲の骨を削って歯を抜くために、抜歯の時間が長くなり周囲の損傷も大きくなります。
抜歯の時間が長くなると手術中に出血が止まってしまって血餅が作られにくくなります。
また、損傷の範囲が大きいほど術後の痛みも大きくなります。
ドライソケットの見た目
ドライソケットの見た目についてもお伝えしていきます。
通常の傷口は、抜歯した穴を赤くてブヨブヨした血の塊が覆います。これが血餅です。
ですが、ドライソケットの場合には、穴が空いたままになり、内部の骨が露出して見えるので赤ではなく白っぽく見えます。
場合によっては、露出した部分に食べかすが入ってしまって見えないかもしれませんが、傷口が開放されたままの場合はドライソケットの可能性を疑います。
ドライソケットの痛みとは
見た目だけではなく、ドライソケットの痛みには特徴があります。
抜歯後数日たってから痛みが強くなる
通常ですと、抜歯後の痛みは麻酔が切れてから徐々に強くなり、数日の間に落ち着いてきます。
ですが、ドライソケット場合、抜歯後数日経過してから徐々に強くなり、普通に生活しているのが辛いほどの痛みになります。
抜いた場所だけではなく、抜いた側のほっぺ全体が痛んだり、痛みが強くてあごを動かしたり、ものを飲み込むのが辛い場合もあります。
痛みが長く続くのも特徴で、抜歯後一週間ほど経過していても強い痛みが治まりません。
物理的刺激で強い痛みが走る
ドライソケットは普通にしていても痛いのですが、骨が露出しているため、物理的な刺激でも強い痛みが引き起こされます。
食事の際に、食べかすがドライソケットに入り込んでしまったり、歯ブラシの際に軽く触れただけでも強く鋭い痛みが走ります。
ドライソケットの対処法
最後に、ドライソケットの対処法についてお伝えしていきます。
痛み止めを飲み安静にする
ドライソケットが起きて強い痛みがある場合には、無理せず痛み止めを飲みましょう。
歯科医院で処方された痛み止めを飲みきってしまった場合には、市販で売っている鎮痛剤でも成分的には処方されるものと同じなので大丈夫です。
口を動かすのが辛い場合には、無理に食事を摂ろうとせずに、ゼリー系栄養食品など負担が少ないものを食べて安静にして過ごしましょう。
歯科医院で処置を行う
ドライソケットになった場合には、歯科医院で処置をしてもらいましょう。
そのまま経過観察で痛みが徐々に落ち着いてくる場合もありますが、露出した骨から感染を引き起こす可能性もあります。
歯科医院では、ドライソケットを洗浄して鎮痛剤と抗生物質を混ぜたペーストを傷口に詰めたり、再度傷口を出血させるなどの処置を行います。
まずは、歯科医院で診てもらうことが最も安心です。