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口腔外科編集部コラム

歯肉膿瘍とは?原因や治療法、予防まで紹介します

 

歯肉膿瘍(しにくのうよう)とは、歯肉が傷つくことによって感染が起き、膿が溜まってしまう病気です。

歯周膿瘍(ししゅうのうよう)と間違えられることがありますが、歯肉膿瘍とは別物です。

 

歯肉膿瘍は虫歯や噛み合わせが合わないことによって起こることが多いですが、歯肉の間に食べかすなどが入り込むことでも起きることがあります。

そのまま放置しておくと、歯を支えている土台となる骨にも影響を及ぼします。

そのため、症状に気がついたら早めに歯科医院を受診して、処置をしてもらう必要があります。

今回は歯肉膿瘍がどんなものなのか、予防法や治療方法も解説します。

 

歯肉膿瘍ってどんな病気?

 

歯肉膿瘍は、軽度のうちは軽く赤みを帯びた状態ですが、ひどいときには歯肉が腫れて膿が出てきます。

そのため痛みも伴います。

多少出血することもあり、膿が排出されずに溜まったままの状態ではぶよぶよとしています。

膿が溜まった部分を押したときに痛んだり、溜まっていることによって、圧迫された痛みを感じることもあるでしょう。

 

症状が似ているものに歯周膿瘍がありますが、歯周膿瘍の場合は発熱を伴うこともあるので、それに比べれば歯肉膿瘍は軽い症状と言えるでしょう。

 

歯肉膿瘍になってしまう原因

 

歯肉膿瘍の主な原因は、歯肉が傷つくことによる感染です。

食事や歯磨きの際に傷がついたり、歯ぐきに入り込むことで歯肉膿瘍になってしまいます。

 

エビの殻やポップコーンの硬いカスが歯肉に入り込んだり、歯磨きの時に強く当て過ぎたことによって、傷ついたりすることが多いです。

歯肉が傷つくことで炎症反応が起き、膿ができてしまうことがあるのです。

また、子供は大人よりも歯肉がやわらかいため、食事の際には周りが注意してあげましょう。

 

予防方法は丁寧なブラッシング

 

歯肉膿瘍にならないためにはどうしたら良いのか、知っておきたいですよね。

一番の予防は毎日の丁寧なブラッシングです。

歯肉を傷つけないようにすることが大切なので、自分に合った歯ブラシを使って正しい磨き方をする必要があります。

歯と歯の間も磨き残しがないように、フロスなども使って丁寧にブラッシングしましょう。

 

もし歯肉膿瘍を繰り返している場合は、歯磨き方法に問題がある可能性があります。

一度、歯科医院で自分に合った歯ブラシやフロス、歯間ブラシのような清掃補助用具を選んでもらいましょう。

そして、自分の口の中の状況にあった歯磨き方法を教えてもらいましょう。

 

また、口の中をきれいに保つためにも、専門家によるクリーニングで、徹底的な口腔内清掃と歯石除去も行ってもらい、口腔内環境を改善しておくことがおすすめです。

そうすることで歯肉膿瘍の繰り返しを予防することもできますし、虫歯や歯周病の予防にもつながります。

 

そして食事の際には、エビの殻や小魚のような硬いものには気を付けるようにしましょう。

歯肉に入り込んだことに気付いたら、なるべく早めに、ブラッシングやうがいで取り除き、症状がひどくなることを防ぎましょう。

 

歯肉膿瘍と診断された場合の治療法

 

歯肉膿瘍が軽度の場合は自然治癒を待つこともできますが、腫れてしまって、膿をもつような歯肉膿瘍と診断された場合は、放置せず早めに治療を開始しましょう。

 

まず、歯肉に異物がはさまっている場合は、感染の原因元であるその異物を除去します。

その後、膿が溜まっている部分を排膿させる必要があるので、外科処置を行います。

外科処置と言っても、入院が必要な処置ではありません。

歯科医院のユニットで局所麻酔をして処置を行います。

 

・麻酔

膿がある周りの部分を消毒してから局所麻酔を行います。

炎症がひどい場合は麻酔が効きにくいこともあります。

麻酔が効いてきてから処置を開始します。

 

・試験穿刺

膿を出す前に、膿が溜まっている部分の深さを確認するために、針を刺して切開部分を確認します。

場合によっては細菌検査を行う場合もあります。

 

・膿を出す

歯肉を切開して、膿が出てこれるような路を作ります。

切開部分は1~2cmで、そこから膿を出し切ります。

 

・洗浄

膿を出した後は処置した部分を洗浄して終了です。

処置後は抗生物質や鎮痛剤を処方されることもあるので、処方されたら正しく飲みましょう。

 

その後は、もし虫歯や歯周病など、口の中に歯肉膿瘍の原因がある場合はその治療も行います。

外科処置後に症状が改善されない場合は、他の炎症や病気の可能性がありますので、歯科医師に診察してもらいましょう。

 

気になったら早めに歯科医院の受診を

 

歯肉膿瘍は食事や歯磨きがきっかけになる、とても身近な病気です。

痛みや違和感は少しだから我慢しよう、と思っていると、痛みがひどくなったり、悪化して歯肉以外のところにも影響を及ぼしたりする可能性があります。

 

また、歯肉膿瘍は虫歯や歯周病、口腔内環境が原因の場合もあります。

歯科医院に定期的に通って歯科検診や治療、そしてクリーニングや歯磨き指導をしてもらうことで予防することができます。

 

歯肉膿瘍を自分で診断することは難しいので、早めに歯科院を受診することをおすすめします。

 

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