編集部コラム | 口腔カンジダ症になるのは高齢者だけじゃない?よくある原因とは

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なんだか舌に違和感がある。

ぴりぴりして痛い感じがして、舌に白い苔のようなものがある。

そんな経験はありませんか?

 

その症状は「口腔カンジダ」が原因かもしれません。

口腔カンジダはあまり聞いたことがない人も多いかもしれませんが、実は多くの人がなってしまう可能性のある、身近な病気です。

今回は、そんな口腔カンジタについて解説していきます。

 

目次

口腔カンジダ症とはどんな病気?
口腔カンジダ症になってしまう原因
症状による分類
口腔カンジダ症と診断された場合の治療法
口の中を清潔に保つことが予防につながる

 

口腔カンジダ症とはどんな病気?

 

頬に手を当てている女性口腔カンジダ症とは、真菌という菌の一種、カンジダ菌によって発症する口腔内疾患です。
 
口の中がひりひりとしたり、症状がひどいと飲食が難しくなる場合もあります。

 

口腔カンジダ症は大人から子供まで年齢を問わず発症します。

カンジダ菌自体がいつも身体の中にあるため、免疫力が低下したと時などに日和見感染として発症します。

口腔内以外に発生するカンジダもあります。

 

口腔カンジダ症になってしまう原因

 

口腔カンジダ症の原因は、カンジダ菌による日和見感染です。

日和見感染といっても、どんなものか分からない方もいるでしょう。

 

カンジダ菌のようにいつも身体の中に存在する常在菌は、普段は弱い病原体のため、とくに症状が出ることもありません。

しかし宿主となる人間が、感染に対する防御力、つまり免疫力がなんらかの原因で弱くなっている時に、普段の健康な時なら発症しないような、弱い病原体でも感染症を発症します。

これが日和見感染です。

 

特に高齢者や子供など、免疫力が基本的に低い人たちは発症しやすいです。

その他、口腔カンジダ症を引き起こす原因には以下のようなものがあります。

 

・口腔内が不衛生

歯磨きが行き届かずに、口の中の衛生状態が悪いと、細菌が繁殖しやすい状態になります。

そして、その中でも入れ歯をしている方は要注意です。

入れ歯を洗わずに不衛生な状態で使い続けていると、細菌が増殖し、口腔カンジタや他の感染症も引き起こしやすくなります。

入れ歯を使っている方は高齢者が多く、免疫力が低い方も多いので気を付けましょう。

 

・基礎疾患がある

糖尿病や血液疾患やガン、免疫不全をおこすAIDSなど、基礎疾患がある方は免疫力が低く、口腔カンジダ症になるリスクが高くなります。

 

・ステロイド治療を受けている

ステロイドを使って治療を行っている場合、ステロイドの副作用として免疫力が低下します。

そのため、ステロイドを使った治療を長期間続けている方は、口腔カンジタになる可能性が高くなります。

 

・抗生物質を長期間使っている

抗生物質による治療を長期間受けている方も、いつもなら問題ない菌でも、体内の菌のバランスが崩れることで口腔カンジタが発症する可能性があります。

 

症状による分類

 

症状や経過によって口腔カンジダ症は4つの型に分類されます。

 

・急性偽膜性カンジダ症

一番多いカンジダ症はこの急性偽膜性カンジダ症です。

口の中の粘膜部分や舌、口の周りに、白い苔のようなものが点や線状になって現れます。

少しずつ範囲が広がっていっても、そのまま放置していると、大部分が白い苔状のものに覆われるようになります。

この白い苔状のものはぬぐって取ることができますが、取った後にその部分は赤くなったり、びらんとなります。

 

・急性萎縮性カンジダ症

抗生物質を使った治療を長期間行っていると、菌のバランスが崩れることで起きるのがこの急性萎縮性カンジダ症です。

ひりひりとした痛みがあり、赤くびらんとなっているのが特徴です。

急性偽膜性カンジダの白い苔上のものをぬぐった状態も、こちらに分類されます。

 

・慢性肥厚性カンジダ症

偽膜の白い部分が厚く、ぬぐって取ることが難しい状態のカンジダ症が、この慢性肥厚性カンジダ症です。

粘膜の上皮部分も厚く角化してきます。

 

・慢性萎縮性(紅斑性)カンジダ症

入れ歯が接触している粘膜面によくできるカンジダ症が慢性萎縮性カンジダ症です。

ひりひりとした痛みも強く、尺熱感や舌乳頭の萎縮も見られます。

 

口腔カンジダ症と診断された場合の治療法

口腔カンジダ症と診断された場合は、どのような治療が行われるのでしょうか。

 

・投薬

まずは抗真菌薬を使った投薬治療が行われます。

真菌を殺菌する作用のあるファンギゾンシロップ、ジフルカンカプセルといった薬がよく使われます。

一週間程度使用しているうちに、治癒していくことがほとんどです。

うがい薬や塗り薬、内服薬を処方される場合もあります。

 

・口腔ケア

口腔内が不衛生な状態だと、細菌が繁殖して口腔カンジダ症にもなりやすくなります。

また、入れ歯を使っている方は、いつもつけっぱなしでいると、そこから口腔内環境が悪くなり、カンジダ症になることもあります。

ていねいな口腔ケアと入れ歯の手入れを徹底しましょう。

毎日の自分での歯磨きや、義歯のお手入れだけではなく、歯科医院で検診やクリーニングを受けると良いでしょう。

 

口の中を清潔に保つことが予防につながる

 

口腔カンジダ症はとても身近な病気です。

予防するためには、口の中を清潔に保つことや、免疫力を高めることが大切になります。

定期的な歯科医院の受診や、規則正しい生活を送ることで、口腔カンジダ症を予防しましょう。

 

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