編集部コラム | 差し歯が痛いのはなぜ?原因と対応方法

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「治療したはずの差し歯が痛む」という症状に悩んでいる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、差し歯が痛む場合、何が原因なのか、その場合の応急処置や、歯科医院での対応についてお伝えしていきます。

 

目次

差し歯とは
差し歯が痛みだす原因
困った時の応急処置
差し歯の異変は歯科医院で治療を
まとめ

 

差し歯とは

 

差し歯とは
 
一般的に、差し歯と言うときは、『歯に被せ物をしている状態』か『神経を取った歯に土台を立てて被せ物をしている歯』です。

厳密に言うと、歯科医院で差し歯という治療はないので、歯科医師が患者さんにわかりやすいように差し歯と説明しているか、一般の方が差し歯と通称している場合がほとんどです。

 

ブリッジ、インプラント、入れ歯との違い

差し歯と間違えやすいのが、ブリッジ、インプラント、入れ歯です。

ブリッジは、失った歯の左右に残っている歯を使った被せ物で、インプラントは、失った歯の部分に人工の歯を埋めて、その上に被せものをする治療法。

入れ歯は、失った歯の左右にフックを欠けて人工の歯を補う治療法になります。

 

差し歯が痛みだす原因

 

『噛み合わせがあっていない』

治療した歯の噛み合わせがあっていない場合には痛みを生じます。

他の歯よりも強く噛んでいる場合、使っているうちにだんだんと痛くなります。

歯の神経を取っていても、歯の根の周囲には感覚があるので痛みを感じます。

使っているうちに慣れることもありますが、調整が必要な場合もあります。

 

『虫歯が再発している』

神経の治療をしていない歯に被せ物をしているケースでは、被せ物の中で虫歯が再発していると痛みを生じます。

被せ物と歯の隙間から虫歯になるケースと、なんらかの理由で虫歯を取り残してしまっているケースがあります。

そのままにしておくと虫歯が進行してしまうため、虫歯の処置が必要です。

 

『歯の根っこの先に病気がある』

歯の根っこの先に病気がある場合には痛みを生じます。

神経の治療をした後に細菌感染を引き起こし、根の先に膿の袋が出来てしまう場合には、噛んだ時や歯を軽く叩いたときに鈍い痛みを生じます。

稀に、ズキズキとした強い痛みを生じる場合もあります。

歯の根っこの先に病気がある場合には、歯の根の治療が必要です。

 

『歯の根っこが割れている』

なんらかの原因で歯の根っこが割れている場合には、噛んだ時に鈍い痛みを感じます。

また、割れ目にそって細菌が感染するため、歯ブラシなどで歯肉を刺激するときに出血が見られる場合もあります。

歯の根っこが割れている場合には、基本的に歯を残すことが難しいので抜歯になります。

 

『歯周病が進行している』

歯周病が進行している場合は、噛んだ時に痛みを感じます。

歯肉に出血が見られたり、歯が動揺する場合には歯周病を疑います。

 

困った時の応急処置

 

『安静にする』

差し歯に痛みがある場合は、痛む歯を使わずに安静にしましょう。

痛い歯に負担がかかると痛みが悪化する可能性があるので、食事をする際には、痛みがある歯を避けるようにしたり、柔らかいものを取るようにしましょう。

また、ズキズキと痛む場合には、血流が良くなると痛みが増悪することがあるので、運動をしたりお酒を飲んだり、風呂に長時間浸かるなどの行為は避けましょう。

 

『鎮痛剤を飲む』

痛みがある場合には、鎮痛剤を飲むと良いでしょう。

ロキソニンなどの市販の鎮痛剤には、抗炎症作用もあるので、炎症が起きた結果痛みの原因になっている場合には、炎症を抑える事も可能です。

鎮痛剤を飲み、なるべく早く歯科医院に行くようにしましょう。

 

『痛い部分の周囲を冷やす』

差し歯の周囲が腫れて痛みが出ている場合には、腫れている部分の周囲を冷やしましょう。

冷やすことで血流の循環を抑え、腫れを軽減することが出来ます。

氷などで直接冷やすのではなく、痛みが出ている歯の周囲を、頬の外から保冷剤を包んだタオルなどで冷やすようにしてください。

 

『口腔ケアをする』

歯周病が原因で差し歯が痛んでいる場合には、口腔ケアをすることで改善する場合があります。

ただし、歯茎が強く腫れている場合には、刺激を与えるのも良くないので、柔らかい歯ブラシで周囲の汚れを取ったり、うがい薬でお口をゆすぐ程度にしましょう。

 

差し歯の異変は歯科医院で治療を

 

差し歯に異変がある場合には、歯科医院に行きましょう。

歯科医院では原因によって以下のような治療を行います。

 

『噛み合わせの調整をする』

差し歯の噛み合わせが強くて痛みが出ている場合、また、歯周病によって痛みが出ている場合には、噛み合わせの調整を行います。

噛み合わせの調整を行い、差し歯への負担を減らすことで痛みが改善します。

 

『歯の根の治療をする』

差し歯の内部で虫歯が再発、もしくは、根の先に病気がある場合には、歯の根の治療を行います。

歯の根の治療を行い、薬をつめ、再度、差し歯を作り直して噛めるようにします。

 

『抜歯をする』

歯の根が割れている場合、歯の根の治療を繰り返しても改善しない場合には、抜歯をします。

抜歯をしたあとは、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療を行い、失った部分を補います。

歯の根が割れている場合でも、割れている部分によっては抜歯を避けられる可能性はあるので、歯科医院で相談してみると良いでしょう。

 

『歯周病の治療を行う』

歯周病が原因で痛みが出ている場合には、歯周病の治療を行います。

歯周病は口全体に広がっているケースが多いため、痛む歯だけではなく、口全体の歯周病の治療を行います。

 

まとめ

 

差し歯が痛む場合について、原因や対処法などについてお伝えしていきました。

差し歯が痛む場合には、差し歯の状態や原因によって治療法が変わってきます。

応急処置で痛みが収まったとしても、なるべく早く歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

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